ITパスポートの情報セキュリティ|CIAとリスク対応の見分け方のサムネイル
ガイドIP

ITパスポートの情報セキュリティ|CIAとリスク対応の見分け方

公開: 2026-08-25更新: 2026-10-05
機密性・完全性・可用性と、リスクの低減・回避・移転・受容を具体例で比較。過去問でどの要素が損なわれたか、どの対応に当たるかを確認します。

セキュリティの過去問では、情報を「見られた」「書き換えられた」「使えなくなった」のどれかを考えると、機密性・完全性・可用性を区別しやすくなります。

CIAの3要素に加え、責任追跡性などの関連する性質と、リスク対応の4類型を整理します。問題文に書かれた被害や対策から判断しましょう。

1. 情報セキュリティの3大要素(CIA)

要素

英語表記

定義

脅かされる脅威

具体的な対策例

機密性

Confidentiality

許可された正規の利用者だけが情報にアクセスできること

情報漏えい、盗聴、ショルダーハッキング

暗号化、パスワード認証、アクセス権限の最小化

完全性

Integrity

情報の正確さと完全さが保たれ、許可されない変更や欠落がないこと

Webサイト改ざん、データの不当書き換え

ディジタル署名、ハッシュ値検証、アクセスログ監視

可用性

Availability

許可された正規の利用者が、必要な時にいつでも情報にアクセスできること

DoS攻撃、ランサムウェア、サーバーダウン、停電

二重化(冗長化)、無停電電源装置(UPS)、定期バックアップ

2. 4つの付加的要素(JIS Q 27000)

  • 【真正性 (Authenticity)】:利用者や情報が「本物(なりすましではない)」であることを確実に証明できること(多要素認証、電子証明書)。

  • 【責任追跡性 (Accountability)】:いつ誰がどのような操作を行ったかを一意に追跡できること(アクセスログ、操作履歴の保全)。

  • 【否認防止 (Non-repudiation)】:あとから「そんな操作や送信はしていない」と主張・否定できないようにすること(ディジタル署名、タイムスタンプ)。

  • 【信頼性 (Reliability)】:情報システムが意図した通りの処理を矛盾なく確実に実行できること。

3. 情報セキュリティリスク対応の4類型

対応

意味

例と注意点

低減

発生の可能性や影響を小さくする

更新プログラムの適用、教育、アクセス制御など

回避

リスクにつながる活動を始めない、または中止する

安全に提供できないサービスを停止する。別の活動に変えれば、別のリスクは残り得る

移転・共有

損失や責任の一部を、契約などで他者と分担する

サイバー保険。補償対象や限度があり、リスク全体が消えるわけではない

保有・受容

評価したリスクを、責任者が判断して受け入れる

小さい残留リスクを受容し、状況の変化を監視する。単に放置することとは異なる

4. 【実戦演習 問1】情報セキュリティ3要素の判定

【問題】情報セキュリティの3要素(機密性、完全性、可用性)のうち、「DoS攻撃を受けてWebサーバーが過負荷状態になり、一般利用者がWebサイトを閲覧できなくなった状態」において、直接損なわれた要素はどれか。

  • ア:機密性(Confidentiality)

  • イ:完全性(Integrity)

  • ウ:可用性(Availability)

  • エ:真正性(Authenticity)

【正解】ウ

解説

  • ア:誤り。設問には情報漏えいの記述がなく、直接示されている被害は閲覧不能です。

  • イ:誤り。設問には情報の改ざんの記述がありません。

  • ウ:正解。必要なときに情報やサービスを利用できる性質が可用性です。過負荷で閲覧できない状態は可用性が損なわれています。

  • エ:誤り。本物であるという性質の真正性ではなく、利用できなくなった点を問う問題です。

5. 【実戦演習 問2】リスク対応類型の選定

【問題】企業が保有するサーバーが不正アクセスを受けた場合の損害に備えて、「サイバーセキュリティ損害賠償責任保険」に加入した。このリスク対応策に該当するものはどれか。

  • ア:リスク低減

  • イ:リスク回避

  • ウ:リスク移転

  • エ:リスク保有

【正解】ウ

解説

  • ア:誤り。リスク低減は、ファイアウォール導入などの被害発生を防ぐ対策です。

  • イ:誤り。リスク回避は、サーバー運用そのものをやめるなどの対策です。

  • ウ:正解。損害保険への加入により、契約の補償範囲内で金銭的損害を保険会社と分担する対策は「リスク移転(Transfer)」です。

  • エ:誤り。リスク保有は、リスクを評価した上で受け入れることです。保険で損失を移転する対応とは異なります。

出典と仕様を確認する

IPA:ITパスポート試験シラバス Ver.6.5

NIST:Integrity(完全性)

次におすすめの学習

この記事を共有する

編集・検証について

編集・検証:IT資格ラボ編集部

IPAが公開する試験要綱・シラバス・過去問題と、各技術の公式資料を優先して内容を確認しています。制度変更や誤りを確認した場合は、記事を見直して更新します。

編集方針・情報源・訂正方針を見る