ITパスポートのIoT|エッジ・5G・LPWAの役割と違い
IoTの過去問は、何を測り、どこで処理し、どう通信するかを分けて考えます。エッジは処理する場所、5GやLPWAは通信の技術です。用途と条件から選ぶ練習をしましょう。
1. IoTシステムの構成要素とエッジコンピューティング
構成要素 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
デバイス・センサー | 現実世界の物理量(温度、湿度、位置情報、加速度、画像)をデジタルデータとして取得 | 温度センサー、GPS受信機、スマートメーター、車載カメラ |
エッジ(端末近傍) | クラウドへ送信する前に、現場近くでデータの前処理やリアルタイム制御を実行 | エッジAIカメラ、産業用ゲートウェイ、自動運転の車載コンピュータ |
クラウド・サーバー | 集約された膨大なビッグデータを蓄積し、高度なAI分析や長期的傾向を可視化 | クラウドデータウェアハウス、機械学習学習基盤 |
現場近くで処理するエッジコンピューティングは、クラウドとの往復通信を減らし、判定の遅延や送信データ量を抑えられます。実際の処理時間は機器や構成に依存します。プライバシー保護や通信断時の安全動作は、別途設計が必要です。
2. 5G(第5世代移動通信システム)の3大特徴
5Gの特徴 | ねらい | 利用例 |
|---|---|---|
高速大容量(eMBB) | 大きなデータを高速に送受信する | 高精細動画、VR・AR |
超低遅延・高信頼(URLLC) | 遅延と通信の不確実性を抑える | 産業機器の制御など |
多数同時接続(mMTC) | 多数の機器から通信する | スマートメーター、IoTセンサー |
国際的な性能要件にあるピーク速度などは、通常の利用で常に得られる値ではありません。ITパスポートの学習では、まず3つの特徴と用途の違いを押さえましょう。
3. LPWA(Low Power Wide Area):IoT特化の省電力・広域通信
LPWAは、低消費電力で広い範囲の通信を行う技術群です。LoRaWAN、Sigfox、NB-IoTなどがあり、少量の測定値を送るセンサーや検針に向いています。通信速度・到達距離・電池寿命は方式や設置環境、送信頻度により異なり、全方式で同じ値になるわけではありません。
4. 【実戦演習 問1】エッジコンピューティングの特徴
【問題】工場の製造ラインにおいて、製品の外観検査カメラの画像を分析して不良品をミリ秒単位で瞬時に検知・排除したい。このシステム構成として、クラウド集中処理と比較した「エッジコンピューティング」の利点として最も適切なものはどれか。
ア:現場の端末側に高額な大型サーバーを設置不要となるため、現場のハードウェア費用がゼロになる。
イ:クラウドとの往復通信を減らし、現場での判定やライン制御の遅延を抑えられる。
ウ:すべての生データをクラウドに永久保存できるため、クラウドのストレージ容量を節約できる。
エ:インターネット回線が切断された場合、現場の全機器が安全に停止するフェールセーフ機能を持つ。
【正解】イ
解説
ア:誤り。現場に処理機器が必要であり、ハードウェア費用はゼロになりません。
イ:正解。画像を現場近くで処理すれば、クラウドとの往復通信にかかる時間を減らせます。
ウ:誤り。生データをすべて永久保存しても、ストレージの節約にはなりません。
エ:誤り。安全に停止する機能はエッジ処理だけで自動的に備わるものではなく、システムとして設計する必要があります。
5. 【実戦演習 問2】LPWAの適用領域
【問題】広大な農地に分散した多数のセンサーから、少量の土壌水分量や気温のデータを定期送信したい。電源供給や多数の中継設備の設置は難しく、電池交換の頻度も抑えたい。この用途に適した通信技術はどれか。
ア:Bluetooth(BLE)
イ:Wi-Fi(IEEE 802.11ax)
ウ:LPWA(Low Power Wide Area)
エ:ミリ波を用いた5G
【正解】ウ
解説
ア:誤り。BLEは低消費電力ですが、この設問の広域通信には中継設備などの検討が必要です。
イ:誤り。通常のWi-Fiを広大な農地全体で使うには、アクセスポイントの配置や電源が課題になります。
ウ:正解。LPWAは少量のデータを低消費電力で広域に送る用途に適しています。具体的な通信範囲や電池寿命は条件に依存します。
エ:誤り。この設問では高速大容量より、広域性と消費電力が重要です。ミリ波の利用には遮蔽物などの条件も考慮します。
出典と仕様を確認する
次におすすめの学習
編集・検証について
編集・検証:IT資格ラボ編集部
IPAが公開する試験要綱・シラバス・過去問題と、各技術の公式資料を優先して内容を確認しています。制度変更や誤りを確認した場合は、記事を見直して更新します。
編集方針・情報源・訂正方針を見る