労働法および就業規則に基づく秘密保持義務と個別合意

就業規則に秘密保持の一般規定が存在する場合であっても、特定の機密情報を扱う従業員に対して、職務内容に即した具体的な保護対象秘密や遵守事項を明確化するために「個別合意(秘密保持誓約書・契約書)」を締結することは、労働法および不正競争防止法上極めて適切かつ有効な行為です。したがって正解はアです。 労働条件の不利益変更や新たな懲戒規定の追加は、従業員代表への意見聴取や合理的な周知・手続を経ず一方的に実施することはできません。 労働基準法第93条に基づき、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効であり、就業規則より重い処分を定める個別合意は認められません。 服務規律や制裁(懲戒)に関する事項は、常時10名以上の事業場における就業規則の必要的記載事項(相対的必要記載事項)であり、就業規則に規定を設ける必要があります。

常時10名以上の従業員を有するソフトウェア開発会社が,社内の情報セキュリティ管理を強化するために,機密情報を扱う担当従業員の扱いを見直すこととした。労働法に照らし,適切な行為はどれか。

出典平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問14
ア
就業規則に業務上知り得た秘密の漏えい禁止の一般的な規定があるが,担当従業員の職務に即して秘密の内容を特定する個別合意を行う。
イ
就業規則には業務上知り得た秘密の漏えい禁止の規定がないので,漏えい禁止と処分の規定を従業員の合意を得ずに就業規則に追加する。
ウ
情報セキュリティ事故を起こした場合の処分について,担当従業員との間で,就業規則よりも処分の内容を重くした個別合意を行う。
エ
情報セキュリティに関連する規定は就業規則に記載する事項ではないので,就業規則に規定を設けようとはせずに,全ての従業員と個別合意を行う。