分散システムにおける障害透明性(フォールト透過性)の定義

正解は「エ」です。 分散システムにおける透過性(透明性: transparency)とは、システムの物理的な配置や構造、障害などを利用者やアプリケーションから隠蔽し、単一のシステムであるかのように見せる性質のことです。ISO/IEC 10746(RM-ODP)等で定義されている主な透過性には次のようなものがあります。 障害透過性(fault transparency): システムを構成する一部のハードウェアやソフトウェアに障害が発生しても、利用者がその障害を意識することなく、処理を継続してシステムを利用できる性質。 位置透過性(location transparency): データやリソースがネットワーク上のどのコンピュータに存在するかを意識することなくアクセスできる性質。 アクセス透過性(access transparency): ローカルにあるリソースもリモートにあるリソースも同一の手順・インターフェースでアクセスできる性質。 複製透過性(replication transparency): データが複数のコンピュータに複製されていても、利用者は単一のデータとして意識せずにアクセスできる性質。 管理者が障害状況を把握できることは運用管理性・可観測性(オブザーバビリティ)に関する内容であり、障害を隠蔽する障害透過性の説明ではありません。 データを1か所に集中管理することは集中システムの構成であり、分散システムにおける単一障害点(SPOF)を生む原因となります。 均一なシステム構成をとることは同質的(ホモジニアス)構成の説明であり、障害透過性そのものの定義ではありません。

分散処理システムにおける障害透明性(透過性)の説明として,適切なものはどれか。

出典平成30年春期 午前Ⅱ
ア
管理者が,システム全体の状況を常に把握でき,システムを構成する個々のコンピュータで起きた障害をリアルタイムに知ることができること
イ
個々のコンピュータでの障害がシステム全体に影響を及ぼすことを防ぐために,データを1か所に集中して管理すること
ウ
どのコンピュータで障害が起きてもすぐ対処できるように,均一なシステムとなっていること
エ
利用者が,個々のコンピュータに障害が起きていることを認識することなく,システムを利用できること