M/M/1待ち行列モデルにおける平均回線待ち時間と平均伝送時間

正解は「イ」です。 平均伝送時間を $T_s$、回線利用率を $\rho$($0 \le \rho < 1$)とすると、平均回線待ち時間 $W_q$ は次の式で表されます。 $$W_q = T_s \times \frac{\rho}{1 - \rho}$$ 問題文では「平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも長くなる($W_q > T_s$)」条件を求めています。両辺を正の実数である $T_s$ で割ると、次の不等式が得られます。 $$\frac{\rho}{1 - \rho} > 1$$ 回線利用率 $\rho$ は $0 \le \rho < 1$ であるため、分母 $1 - \rho > 0$ です。両辺に $(1 - \rho)$ を掛けて整理します。 $$\rho > 1 - \rho \iff 2\rho > 1 \iff \rho > 0.5$$ したがって、回線利用率が 0.5(50%)を超えたときに、平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなります。 0.4:$\rho = 0.4$ のとき $\frac{0.4}{1 - 0.4} = \frac{0.4}{0.6} \approx 0.67 < 1$ であり、平均回線待ち時間は平均伝送時間より短くなります。 0.6:$\rho = 0.6$ のとき $\frac{0.6}{1 - 0.6} = 1.5 > 1$ となり待ち時間の方が長くなりますが、最初に超える境界値は 0.5 です。 0.7:$\rho = 0.7$ のとき $\frac{0.7}{1 - 0.7} \approx 2.33 > 1$ となりますが、最初に超える境界値は 0.5 です。

通信回線を使用したデータ伝送システムに M/M/1 の待ち行列モデルを適用すると,平均回線待ち時間,平均伝送時間,回線利用率の関係は,次の式で表すことができる。

平均回線待ち時間=平均伝送時間×回線利用率1−回線利用率\text{平均回線待ち時間} = \text{平均伝送時間} \times \frac{\text{回線利用率}}{1 - \text{回線利用率}}

回線利用率が 0 から徐々に増加していく場合,平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは,回線利用率が幾つを超えたときか。

出典令和元年度 秋期 高度情報処理技術者試験 午前Ⅰ
ア
0.4
イ
0.5
ウ
0.6
エ
0.7