スヌープキャッシュ方式によるマルチコアのキャッシュコヒーレンシ維持

スヌープキャッシュ(Snooping Cache)方式 は、共有バスマルチプロセッサシステムにおいて各コアが持つプライベートキャッシュの一貫性(コヒーレンシ)を維持するための機構です。各コアのキャッシュコントローラが共有バス上のメモリアクセス信号(書込み・無効化要求など)を常時監視(覗き見: snoop)し、他コアによる共有データへの変更を検知して自キャッシュ内の該当ブロックを無効化(Invalidate)または更新(Update)することで、システム全体のコヒーレンシを保ちます。したがって、正解は ウ です。 ア: 各コアが完全に独立したメモリ空間を持つ場合、共有データのキャッシュ一貫性問題自体が発生しません。 イ: 共有キャッシュ(L3キャッシュ等)のみを利用する方式の説明であり、各コアに分散配置されたスヌープキャッシュの説明ではありません。 エ: ディレクトリと呼ばれる中央管理テーブルを用いて各ブロックの共有状態を追跡・管理するのは「ディレクトリ方式(Directory-based Cache Coherence)」の説明です。

マルチコアプロセッサで用いられるスヌープキャッシュの説明として,適切なものはどれか。

出典令和2年度 10月特別 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問4
ア
各コアがそれぞれ独立のメモリ空間とキャッシュをもつことによって,コヒーレンシを保つ。
イ
各コアが一つのキャッシュを共有することによって,コヒーレンシを保つ。
ウ
共有バスを介して,各コアのキャッシュが他コアのキャッシュの更新状態を管理し,コヒーレンシを保つ。
エ
全てのキャッシュブロックを一元管理するディレクトリを用いて,キャッシュのコヒーレンシを保つ。