複数製品の同時生産による総コスト削減効果を示すシナジー効果(範囲の経済)

表のデータから「スケールメリット(規模の経済)」と「シナジー効果(範囲の経済)」の有無をそれぞれ検証します。 1. スケールメリットの検証: スケールメリットとは、同一製品の生産規模を拡大した際に、製品1本当たりの平均生産コストが低下することです。 ・ビール単独生産の比較: - A($20$ 万本):$1{,}500 \text{ 万円} \div 20 \text{ 万本} = 75$ 円/本 - B($40$ 万本):$3{,}300 \text{ 万円} \div 40 \text{ 万本} = 82.5$ 円/本 生産量を2倍にすると平均コストが上昇しています。 ・清涼飲料水単独生産の比較: - C($10$ 万本):$500 \text{ 万円} \div 10 \text{ 万本} = 50$ 円/本 - D($20$ 万本):$1{,}100 \text{ 万円} \div 20 \text{ 万本} = 55$ 円/本 こちらも生産量を2倍にすると平均コストが上昇しています。 したがって、いずれの製品においてもスケールメリットは「ありません」。 2. シナジー効果の検証: シナジー効果(範囲の経済)とは、2種類以上の製品を個別・別々に生産する場合のコスト合計よりも、同一工場等で同時に生産した場合のコストが低くなることです。 ・ビール $20$ 万本 + 清涼飲料水 $10$ 万本: - 個別生産のコスト合計(A + C):$1{,}500 + 500 = 2{,}000$ 万円 - 同時生産のコスト(E):$1{,}900$ 万円 同時生産の方が $2{,}000 - 1{,}900 = 100$ 万円安くなります。 ・ビール $40$ 万本 + 清涼飲料水 $20$ 万本: - 個別生産のコスト合計(B + D):$3{,}300 + 1{,}100 = 4{,}400$ 万円 - 同時生産のコスト(F):$4{,}200$ 万円 同時生産の方が $4{,}400 - 4{,}200 = 200$ 万円安くなります。 したがって、複数製品を同時に生産することによるシナジー効果は「あります」。 結論として、「スケールメリットはないが,シナジー効果はある」が適切です。

あるメーカがビールと清涼飲料水を生産する場合,表に示すように 6 種類の組合せ(A~F)によって異なるコストが掛かる。このメーカの両製品の生産活動におけるスケールメリットとシナジー効果に関する記述のうち,適切なものはどれか。

組合せ

ビール (万本)

清涼飲料水 (万本)

コスト (万円)

A

20

0

1,500

B

40

0

3,300

C

0

10

500

D

0

20

1,100

E

20

10

1,900

F

40

20

4,200

出典令和3年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問68
ア
スケールメリットはあるが,シナジー効果はない。
イ
スケールメリットはないが,シナジー効果はある。
ウ
スケールメリットとシナジー効果がともにある。
エ
スケールメリットとシナジー効果がともにない。