二重鍵暗号化方式(エンベロープ暗号化: Envelope Encryption)の仕組み

エンベロープ暗号化(Envelope Encryption: 封筒暗号化) は、AWS KMSなどのクラウド鍵管理システムや大容量データの保護で標準的に採用されているハイブリッド暗号化手法です。 1. 高速な共通鍵(データ暗号化鍵: DEK: Data Encryption Key)を生成し、平文データを暗号化します。 2. 次に、その使用した DEK 自体を、上位のマスター鍵(キー暗号化鍵: KEK / KMSマスターキー)を用いて暗号化します。 3. 暗号化されたデータと、暗号化されたDEKをペアにして保管・転送します。 平文データを暗号化鍵で包み、その鍵をさらに別の強固な鍵で二重に包み込む構造が「封筒(エンベロープ)」に似ていることから名付けられました。マスター鍵を外部に露出させずに安全にデータ鍵を分散管理できます。したがって、正解は ア です。 イ: 電子メールヘッダ(Reply-To)の設定に関する説明であり、暗号化技術ではありません。 ウ: S/MIMEやPGPにおける公開鍵メール暗号化の基本説明であり、エンベロープ暗号化特有の多重鍵管理構造の説明ではありません。 エ: 量子力学の原理を利用して盗聴を検知する「量子暗号通信(QKD: 量子鍵配送)」の説明です。

エンベロープ暗号化の説明はどれか。

出典令和3年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18
ア
暗号化鍵で平文を暗号化してから,その暗号化鍵を別の暗号化鍵で暗号化する。
イ
暗号化メールを送信する際に,送信者が電子メールの返信先メールアドレスを設定する。
ウ
公開鍵暗号方式を利用し,電子メールの受信者の公開鍵でメール本文を暗号化する。
エ
光の最小単位である光子 1個 1個に 1ビットのデータを載せて送り,受信した光子の数を確認することによって盗聴を発見できる。