暗号学的ハッシュ関数におけるハッシュ値から原文逆算困難な一方向性

暗号学的ハッシュ関数の原像計算困難性(一方向性 / Pre-image resistance)の性質として「あるハッシュ値が与えられたとき,そのハッシュ値を出力するメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質」が適切です。 暗号学的ハッシュ関数における主要な安全性要件は以下の3つです: - **原像計算困難性(一方向性)**: ハッシュ値 $h$ が与えられたとき、$H(m) = h$ となる元のメッセージ $m$ を求めることが計算量的に困難である性質(ハッシュ値から原文を逆算できない)。 - **第2原像計算困難性(弱衝突耐性)**: あるメッセージ $m_1$ が与えられたとき、$m_1 \neq m_2$ かつ $H(m_1) = H(m_2)$ となる別のメッセージ $m_2$ を見つけることが計算量的に困難である性質。 - **衝突困難性(強衝突耐性)**: $H(m_1) = H(m_2)$ となる相異なる2つのメッセージのペア $(m_1, m_2)$ を見つけることが計算量的に困難である性質。 任意の可変長データから固定長のハッシュ値を生成することは、ハッシュ関数の基本的な定義(構造的特徴)であり、一方向性の安全性要件ではありません。 「ハッシュ値が一致する二つの相異なるメッセージを見つけることが計算量的に困難である性質」は、「衝突困難性(強衝突耐性)」の説明です。 外部からの物理的・論理的な解析や改変を防ぐ性質は「耐タンパ性(Tamper resistance)」の説明です。

暗号学的ハッシュ関数における原像計算困難性,つまり一方向性の性質はどれか。

出典令和3年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問40
ア
あるハッシュ値が与えられたとき,そのハッシュ値を出力するメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質
イ
入力された可変長のメッセージに対して,固定長のハッシュ値を生成できるという性質
ウ
ハッシュ値が一致する二つの相異なるメッセージを見つけることが計算量的に困難であるという性質
エ
ハッシュの処理メカニズムに対して,外部からの不正な観測や改変を防御できるという性質