システム監査における監査調書の役割と客観的証拠性

監査調書(Audit Work Papers)は、システム監査人が実施した監査計画、調査・分析の内容、収集した監査証拠、およびそれらに基づく監査人の判断過程を記録した文書です。監査調書の重要な役割は、監査の実施内容とその客観性を担保し、監査報告書で述べる監査意見や結論を支える合理的かつ十分な根拠(裏付け)とすることです。 監査調書には企業の機密情報や個人のプライバシー、システムの脆弱性情報が含まれるため、厳重な機密保持とアクセス制御が必要であり、社内に全公開することは不適切です。 監査調書が消失・破損すると監査結果の証拠能力が失われるため、機密性を確保した上で確実にバックアップを取得・保管する必要があります。 監査調書には客観的な証拠資料だけでなく、監査人がそれらをどのように分析・判断したかという所見や評価の過程を明確に記述しなければなりません。

監査調書に関する記述のうち,適切なものはどれか。

出典令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問59
ア
監査調書には,監査対象部門以外においても役立つ情報があるので,全て企業内で公開すべきである。
イ
監査調書の役割として,監査実施内容の客観性を確保し,監査の結論を支える合理的な根拠とすることなどが挙げられる。
ウ
監査調書は,通常,電子媒体で保管されるが,機密保持を徹底するためバックアップは作成すべきではない。
エ
監査調書は監査の過程で入手した客観的な事実の記録なので,監査担当者の所見は記述しない。