システム監査基準における監査証拠の入手と評価手続

システム監査基準(平成30年)において、システム監査人は監査意見を裏付けるために十分かつ適切な監査証拠を入手しなければなりません。アジャイル開発では包括的なドキュメント作成よりも動作するソフトウェアや迅速なフィードバックが重視されるため、管理用ドキュメントの体裁にとらわれず、タスク管理ツールのチケット履歴、プロダクトバックログ、自動テスト・CI/CDの実行ログ、コミット履歴、バーンダウンチャートなども有効な監査証拠として利用されます。したがって、「体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる」とする記述は適切ではありません。 委託先が独立した第三者の監査法人等から入手した保証報告書(SOCレポート等)について、監査人がその信頼性や有効性を確認して依拠できると判断した場合は、現地調査を省略・効率化することができます。 本調査を効果的・効率的に進めるため、監査対象部門の業務概要やシステム環境を事前に把握する予備調査を実施することは標準的な監査手順です。 監査目的を確実に達成するため、質問、閲覧、突合、観察、再実施などの複数の監査手続を組み合わせて監査証拠を入手することは適切です。

監査証拠の入手と評価に関する記述のうち,システム監査基準(平成30年)に照らして,適切でないものはどれか。

出典令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60
ア
アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては,管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
イ
外部委託業務実施拠点に対する監査において,システム監査人が委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると判断すれば,現地調査を省略できる。
ウ
十分かつ適切な監査証拠を入手するための本調査の前に,監査対象の実態を把握するための予備調査を実施する。
エ
一つの監査目的に対して,通常は,複数の監査手続を組み合わせて監査を実施する。