請負契約における指揮命令関係と偽装請負の判断基準

請負契約(民法第632条)は、請負人が仕事を完成させ、発注者がその結果に対して報酬を支払う契約形態です。請負契約における作業員への業務の指揮命令権は、雇用関係にある請負元(B社)のみに存在します。 作業場所が発注者(A社)の敷地内(構内請負)であっても、発注者A社の責任者がB社従業員に対して業務上の指示や指揮命令を直接行うことは法令上禁止されており、実質的な労働者派遣とみなされる「偽装請負(違法行為)」に該当します。 A社の従業員がB社の場所で作業する場合であっても、A社の責任者が自社従業員に指揮命令を行っていれば適法です。 A社の従業員が他社(B社)の指揮命令下に入る場合は労働者派遣や出向の契約が必要となりますが、本問の「A社がB社に開発を委託した請負契約」における偽装請負の典型例ではありません。 B社の従業員がA社を作業場所(構内)としていても、B社の責任者が自社従業員に直接指揮命令を行って業務を遂行していれば、適法な構内請負です。

A社はB社に対して業務システムの設計,開発を委託し,A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から,偽装請負とされる事象はどれか。

出典令和4年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問79
ア
A社の従業員が,B社を作業場所として,A社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。
イ
A社の従業員が,B社を作業場所として,B社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。
ウ
B社の従業員が,A社を作業場所として,A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
エ
B社の従業員が,A社を作業場所として,B社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。