通信回線の二重化と並列システムの稼働率計算

信頼性工学において、通信回線を二重化(並列接続)したシステムでは、両方の回線が同時に故障したときにのみシステム全体の通信が不能になります。 もとの通信回線のアベイラビリティ(稼働率)を $A_1 = 0.9$、新たに設置した通信回線のアベイラビリティを $A_2$ とします。 それぞれの回線の不稼働率(故障率)は次の通りです。 - もとの回線の不稼働率 $F_1 = 1 - A_1 = 1 - 0.9 = 0.1$ - 新たな回線の不稼働率 $F_2 = 1 - A_2$ 二重化後のシステム全体の不稼働率 $F_{\text{total}}$ は、2回線の不稼働率の積となります。 $$F_{\text{total}} = F_1 \times F_2 = 0.1 \times (1 - A_2)$$ 問題文より、二重化後のシステム全体のアベイラビリティは $A_{\text{total}} = 0.999$ であるため、システム全体の不稼働率は次のようになります。 $$F_{\text{total}} = 1 - A_{\text{total}} = 1 - 0.999 = 0.001$$ これらを等置して $A_2$ について方程式を解きます。 $$0.1 \times (1 - A_2) = 0.001$$ $$1 - A_2 = \frac{0.001}{0.1} = 0.01$$ $$A_2 = 1 - 0.01 = 0.990$$ したがって、新たに設置した通信回線のアベイラビリティは 0.990 であり、アが正解です。 もとの回線の故障率 $F_1$:$1 - 0.9 = 0.1$ 二重化後のシステム全体の故障率 $F_{\text{total}}$:$1 - 0.999 = 0.001$ 新たな回線の故障率 $F_2$:$F_{\text{total}} \div F_1 = 0.001 \div 0.1 = 0.01$ 新たな回線のアベイラビリティ $A_2$:$1 - 0.01 = 0.990$

ある2局間の通信回線のアベイラビリティ(稼働率)は0.9であった。通信回線部分の二重化を行ったところ,アベイラビリティが0.999となった。このとき,新たに設置した通信回線のアベイラビリティは幾らか。

出典令和4年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ
0.990
0.993
0.996
0.999