A社は、放送会社や運輸会社向けに広告制作ビジネスを展開している。A社は、人事業務の効率化を図るべく、人事業務の委託を検討することにした。A社が委託する業務(以下, B業務という)を図1に示す。

  • 採用予定者から郵送されてくる入社時の誓約書、前職の源泉徴収票などの書類を PDF ファイルに変換し、ファイルサーバに格納する。

(省略)

図1 B業務

委託先候補のC社は、B業務について、次のようにA社に提案した。

  • B業務だけに従事する専任の従業員を割り当てる。

  • B業務では、図2の複合機のスキャン機能を使用する。

  • スキャン機能を使用する際は、従業員ごとに付与した利用者 IDとパスワードをパネルに入力する。

  • スキャンしたデータをPDFファイルに変換する。

  • PDFファイルを従業員ごとに異なる鍵で暗号化して、電子メールに添付する。

  • スキャンを実行した本人宛てに電子メールを送信する。

  • PDFファイルが大きい場合は、PDF ファイルを添付する代わりに、自社の社内ネットワーク上に設置したサーバ (以下, Bサーバという) に自動的に保存し、保存先のURLを電子メールの本文に記載して送信する。

注: Bサーバにアクセスする際は、従業員ごとの利用者IDとパスワードが必要になる。)

図2 複合機のスキャン機能(抜粋)

A社は、C社と業務委託契約を締結する前に、秘密保持契約を締結した。その後、C社に質問表を送付し、回答を受けて、業務委託での情報セキュリティリスクの評価を実施した。その結果、図3の発見があった。

  • 複合機のスキャン機能では、電子メールの差出人アドレス、件名, 本文及び添付ファイル名を初期設定の状態で使用しており、誰がスキャンを実行しても同じである。

  • 複合機のスキャン機能の初期設定情報はベンダーの Web サイトで公開されており、誰でも閲覧できる。

注: 複合機の初期設定はC社の情報システム部だけが変更可能である。

図3 発見事項

そこで、A社では、初期設定の状態のままではA社にとって情報セキュリティリスクがあり、初期設定から変更するという対策が必要であると評価した。

設問 対策が必要であるとA社が評価した情報セキュリティリスクはどれか。解答群のうち、最も適切なものを選べ。

出典令和5年度 公開問題 基本情報技術者試験 科目B 問6
B 業務に従事する従業員が、攻撃者からの電子メールを複合機からのものと信じて本文中にあるURLをクリックし、フィッシングサイトに誘導される。その結果、A社の採用予定者の個人情報が漏えいする。
B 業務に従事する従業員が、複合機から送信される電子メールをスパムメールと誤認し、電子メールを削除する。その結果,再スキャンが必要となり、B 業務が遅延する。
攻撃者が、複合機から送信される電子メールを盗聴し、添付ファイルを暗号化して身代金を要求する。その結果、A社が復号鍵を受け取るために多額の身代金を支払うことになる。
攻撃者が、複合機から送信される電子メールを盗聴し、本文に記載されているURL を使ってBサーバにアクセスする。その結果、A社の採用予定者の個人情報が漏えいする。