内部統制におけるITの統制(全般統制と業務処理統制)

金融庁の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」において,内部統制の基本的要素の一つである「IT への対応」における統制活動(IT の統制)は,以下の 2 つの階層に区分されています。 IT に係る全般統制(IT General Controls: ITGC): システム開発・保守,運用,アクセス管理など,業務処理統制が有効に機能する環境を保証するための基盤的統制 IT に係る業務処理統制(IT Application Controls: ITAC): 個々の業務アプリケーションにおいて,データの入力・処理・出力が完全・正確・正当に行われることを保証する統制 したがって,IT の統制が「全般統制」と「業務処理統制」から成ると述べているイが正解です。 各選択肢の解説は以下のとおりです。 IT 環境には,社内だけでなく,クラウドサービスなどの外部委託先や取引先の IT 利用状況・ネットワーク環境も含まれます。 自動化されていても,プログラム自体の論理誤りや未承認の変更,アクセス権限の不備等があれば統制は無効となるため,自動化されていることだけをもって有効と評価されるわけではありません。 手作業による統制活動であっても,適切に設計され有効に運用されていれば内部統制として認められるため,直ちに不備となるわけではありません。

金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”における“IT への対応”に関する記述のうち,適切なものはどれか。

出典令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60
ア
IT 環境とは,企業内部に限られた範囲での IT の利用状況である。
イ
IT の統制は,IT に係る全般統制及び IT に係る業務処理統制から成る。
ウ
IT の利用によって統制活動を自動化している場合,当該統制活動は有効であると評価される。
エ
IT を利用せず手作業だけで内部統制を運用している場合,直ちに内部統制の不備となる。