半導体IPライセンス契約における設計権と製造(量産)権の許諾範囲

知的財産権の使用許諾(ライセンス契約)において、許諾された権利の範囲外の行為を行うことは契約違反および知財権侵害を構成します。 問題文では「 製品設計に必要不可欠な範囲でだけ知的財産権が許諾されている 」と明確に規定されています。これは一般に「設計用ライセンス(デザインライセンス)」と呼ばれ、LSIの回路設計や検証を行う権利のみが含まれます。 したがって、B社がその設計データを元にして 自社で半導体製品を量産(製造)する行為 は、許諾された「設計」の範囲を逸脱して「製造(量産)」を行っているため、ライセンス契約違反(特許権・回路配置利用権侵害)となるおそれがあります。したがって、正解は エ です。 ア: A社から包括的な製造権の許諾を受けているファウンドリであれば、正当な権原に基づいて製造を行うためB社側のライセンス違反とはなりません。 イ: IP保有元であるA社自身に設計を委託することは正当な取引であり違反になりません。 ウ: 「製品設計に必要不可欠な範囲」として設計権が明示的に許諾されているため、自社での設計は適法です。

A 社が設計及び製造に関する知的財産権を保有する半導体 IP(A 社半導体 IP)を,B 社がライセンス導入し,B 社はその半導体製品の設計,製造及び販売を計画している。A 社半導体 IP の使用許諾契約書で,製品設計に必要不可欠な範囲でだけ知的財産権が許諾されているとき,B 社が使用許諾違反となるおそれがあるのはどれか。

出典令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20
ア
A 社から包括的に製造に関する知的財産権が許諾されている,B 社でないファウンドリー会社で,当該半導体製品を製造したとき
イ
A 社に当該半導体製品設計を開発委託したとき
ウ
B 社で,当該半導体製品を設計したとき
エ
B 社で,当該半導体製品を量産したとき