偽のセキュリティ警告への対応

Webサイト閲覧中に表示される偽のセキュリティ警告画面(サポート詐欺 / スケアウェア)に対する適切な初動対応に関する問題です。 〔手口の特徴とリスク〕 本問の状況は,Webサイトを閲覧中にブラウザの全画面表示やけたたましい警告音を用いて「PCがウイルスに感染した」と偽り,画面上の電話番号へ連絡させようとする典型的な「サポート詐欺」です。ブラウザ上に表示されている警告画面は単なるWebページ(HTML/JavaScript)の表示に過ぎず,実際にPCがマルウェアに感染しているわけではありません。 〔適切な対応手順〕 画面に表示された指示や電話番号には決して従わず,「直ちにWebブラウザを終了する(閉じられない場合はタスクマネージャーから強制終了する)」ことが基本かつ最も安全な対応です(イが適切)。表示元との通信を遮断した上で,必要に応じてキャッシュや履歴の削除,マルウェア対策ソフトでのフルスキャンを実施します。 「急いで対応してください」等の表示は利用者を焦らせて正常な判断力を奪うためのソーシャルエンジニアリングの手口であり,指示に従うと不正な遠隔操作ツール等を導入させられてしまいます。 正規のマルウェア対策ソフトをアンインストールすると,端末が無防備な状態になってしまい極めて危険です。 画面の電話番号に連絡すると詐欺グループのコールセンターにつながり,遠隔操作ソフトウェアを導入させられたり高額な偽サポート契約を結ばされたりします。 詐欺グループは信用させるために実在するセキュリティベンダーのロゴをWebページ上に無断盗用して表示するため,ロゴの一致確認は正当性の証明になりません。

A社は,飲食店へのコンサルティングを行う従業員50名の企業である。A社の全てのPCでは,マルウェア対策ソフト(以下,Xソフトという)が有効にされている。

ある日,総務部の情報セキュリティリーダーであるC課長は,部下のDさんから,次の連絡を受けた。

・A社のPCのWebブラウザでWebサイトを閲覧していたところ,PCがマルウェアに感染しているとの警告画面(以下,警告画面という)が全画面に表示された。

・警告画面が表示されたあと何もPCの操作をせずに直ちにC課長に連絡をした。

C課長は,情報システム部に報告した。情報システム部はDさんのPCを確認し,数時間後,図1のとおり報告した。

図1 情報システム部からの報告

項番

情報システム部からの報告

1

警告画面には,次が表示されていた。

・Xソフトの製品のロゴ

・マルウェアを削除するためのツールをインストールする指示

・サポートが必要な場合の電話番号とチャットウィンドウ

2

念のため,Xソフトを使ってDさんのPCをスキャンしたが,マルウェアは検出されなかった。また,警告画面の表示は,Xソフトによるものではないことを確認した。

3

昨今,類似した警告画面の事例の報告が日本国内で増えている。

A社では,警告画面が表示された場合の適切な対応について全従業員に周知することにした。

設問 周知すべきことはどれか。解答群のうち,最も適切なものを選べ。

出典令和6年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目B 問15
ア
警告画面に,急いで対応する必要があるとの表示がある場合は,直ちに警告画面に表示された指示に従ってツールをインストールすること及びその具体的方法
イ
警告画面に表示された指示には従わずに,直ちにWebブラウザを終了すること及びその具体的方法
ウ
警告画面に表示されたツールと競合しないように,Xソフトをアンインストールし,警告画面に表示された指示に従ってツールをインストールすること及びその具体的方法
エ
警告画面に表示された電話番号に直ちに連絡し,サポートオペレーターの指示に従うこと
オ
警告画面に表示されている,Xソフトの製品のロゴが,製品開発元のWebサイトに掲載されている正規の製品のロゴと同じである場合は,警告画面に表示された指示に従ってツールをインストールすること及びその具体的方法