GNU AGPLv3(ネットワーク経由利用)におけるソースコード開示義務の範囲

AGPL(GNU Affero General Public License)バージョン3 は、通常のGPLが持つ「配布(バイナリの頒布)」時のみにソースコード開示義務が生じる制約(いわゆるASP/SaaSループホール)を解消するために作られたライセンスです。 AGPLv3では、ソフトウェアを改変して ネットワーク経由でサービス(SaaS/クラウド)として利用者に提供する場合 であっても、そのサービスを利用するユーザーに対して、改変された該当サーバアプリケーションの完全な対応ソースコードを開示(ダウンロード可能に)する義務が課されます。一方、別個に自社開発された端末側(モニタリング機器)のファームウェアはAGPLソフトウェアの派生著作物ではないため、開示義務の対象外となります。したがって、正解は ア です。 イ: 通常のGPLではサーバ上で動作させるだけであれば開示義務を免れますが、AGPLv3ではネットワーク経由のサービス利用者に対してもソース開示が義務付けられます。 ウ: 自社で完全に独立して開発したモニタリング機器側のファームウェアには開示義務は及びません。 エ: 開示義務があるのは改変されたAGPLソフトウェアが動作しているサーバ側のコードであり、機器側ではありません。

小型のセンサーを搭載したモニタリング機器,及びその機器との通信を行ってデータを蓄積し,データを可視化するクラウドサーバのアプリケーションを開発して,サービスを社外に公開する。モニタリング機器のファームウェアは全て自社で開発し,サーバのアプリケーションには AGPL バージョン3 のライセンスで公開されたソフトウェアを改変して使用することを決定した。このとき,ライセンスの趣旨に沿うものはどれか。

出典令和6年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問21
ア
サーバ側のソースコードを開示する。
イ
ソースコードの開示は必要ない。
ウ
モニタリング機器側とサーバ側の両方のソースコードを開示する。
エ
モニタリング機器側のソースコードを開示する。