データセンターのサーバ・ネットワーク機器に対する直流給電の利点

データセンターの従来の交流給電(AC給電)では,「受電(交流)$\to$ UPSバッテリ充電(直流)$\to$ 機器へ供給(交流)$\to$ サーバ電源PSU(直流)」というように,交流と直流の変換(AC/DC,DC/AC)が何段階も繰り返され,その都度変換ロス(熱損失)が生じていました。直流給電(HVDC:高圧直流給電など)を採用することで,変換回数を最小限に減らし,電力損失を大幅に低減できるとともに発熱を抑えて空調負荷も軽減できます。したがって正解はアとなります。 各選択肢の解説は以下のとおりです。 直流給電であっても,効率的な送電のために数十〜数百Vで給電し,サーバ内部の DC-DC コンバータで CPU やメモリが動作する 1V 前後の低電圧へと降圧します。同じ電圧のまま給電するわけではありません。 直流給電であっても停電リスクはあるため,バックアップ用のバッテリ(蓄電池)は依然として必須です(むしろ蓄電池は直流なので直接接続しやすい利点があります)。 トランス(変圧器)による簡便な昇圧・降圧は「交流」の特徴です。直流の電圧変換には半導体スイッチングを用いた DC-DC コンバータが必要です。

データセンターなどで採用されているサーバ,ネットワーク機器に対する直流給電の利点として,適切なものはどれか。

出典令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問23
ア
交流から直流への変換,直流から交流への変換で生じる電力損失を低減できる。
イ
受電設備から CPU などの LSI まで,同じ電圧のまま給電できる。
ウ
停電の危険がないので,電源バックアップ用のバッテリを不要にできる。
エ
トランスを用いて容易に昇圧,降圧ができる。