不正のトライアングル

米国の犯罪学者ドナルド・R・クレッシーが提唱した「不正のトライアングル(Fraud Triangle)」理論では,人間が不正行為を犯す際には「動機・プレッシャ」「機会」「正当化」の3要素がすべて揃うと説明されています。「機会(Opportunity)」は,職務分掌の不備,内部統制の欠如,システム権限の過大付与など,不正を行おうと思えば実行可能であり,かつ発覚しにくい環境や状況を指します。組織のセキュリティ管理策では,この「機会」を物理的・論理的・組織的に最小化することが重要です。 内部統制(COSOキューブ)の基本的要素の一つである「情報と伝達」の説明であり,不正のトライアングルの構成要素ではありません。 ノルマによるプレッシャや金銭的困窮は「動機・プレッシャ」に該当します。「正当化」ではありません。 良心の呵責を乗り越えるための都合の良い理由付け(例: 「会社のためにやった」「待遇が悪いのだからこれくらい当然だ」)は「正当化」に該当します。「動機」ではありません。

不正が発生する際には“不正のトライアングル”の3要素全てが存在すると考えられている。“不正のトライアングル”の構成要素の説明として,適切なものはどれか。

出典令和7年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目A 問4
ア
“機会”とは,情報システムなどの技術や物理的な環境,組織のルールなど,内部者による不正行為の実行を可能又は容易にする環境の存在である。
イ
“情報と伝達”とは,必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられるようにすることである。
ウ
“正当化”とは,ノルマによるプレッシャなどのことである。
エ
“動機”とは,良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など,内部者が不正行為を自ら納得させるための自分勝手な理由付けである。