クラウドサービスの可用性評価

A社におけるクラウドサービスの利用不能時の業務影響度を,表1の重要度基準に基づいて評価します。 〔表1の重要度基準〕 ・重要度2:利用不能となった場合,顧客に直ちに影響が出るサービス ・重要度1:利用不能となった場合,自社業務に直ちに影響が出るサービス ・重要度0:利用不能となった場合,顧客及び自社業務のどちらにも直ちに影響が出ないサービス 〔各サービスの判定〕 1. 電子メール:A社はヘルプデスク業務のアウトソーシングサービスを提供しており,電子メールを「顧客からの問合せの受付及び回答」に直接利用しています。したがって,電子メールが停止すると顧客への受付・回答が直ちに滞り顧客へ即座に影響が及ぶため,【重要度2】と判定されます。 2. 人事・労務管理システム:月末の勤怠実績確認及び給与計算業務に使用している社内システムです。停止しても顧客に直ちに影響することはありませんが,勤怠管理や給与計算という「自社業務に直ちに影響が出る」ため,【重要度1】と判定されます。 したがって,電子メールが「2」,人事・労務管理が「1」となる組合せは「ク」です。 電子メールを0,人事・労務管理を0としていますが,電子メールは顧客に直ちに影響し(2),人事・労務管理は自社業務に直ちに影響します(1)。 人事・労務管理の1は適切ですが,顧客対応に直結する電子メールを0とする点が誤りです。 電子メールを0とする点が誤りであり,人事・労務管理も顧客に直ちに影響する2ではありません。 電子メールは顧客に直ちに影響するため1ではなく2です。人事・労務管理を0とする点も誤りです。 人事・労務管理の1は適切ですが,電子メールは自社内にとどまらず顧客に直ちに影響するため2です。 電子メールの2は適切ですが,人事・労務管理は顧客対応ではないため2ではありません。 電子メールの2は適切ですが,人事・労務管理は停止しても直ちに影響がない0ではなく,自社業務に直ちに影響する1です。 電子メールの2は適切ですが,人事・労務管理は顧客に直接影響するサービスではないため2ではありません。

A社は従業員300名のITサービス企業であり,ヘルプデスク業務のアウトソーシングサービスを提供している。A社はオンプレミスのシステムを所有しておらず,顧客向けサービスのほか,社内業務でもクラウドサービスを利用している。A社では,各従業員にPC及びスマートフォンを貸与している。スマートフォンは勤怠管理などの社内業務だけに利用している。

A社では,クラウドサービスについての可用性に関する重要度の評価(以下,可用性に関する重要度の評価を可用性評価という)を本来実施すべきであったが,実施できていなかった。そこで,A社の情報セキュリティリーダーであるB主任が,表1のとおり,A社がリスク評価で用いる可用性評価の基準を用いて可用性評価を実施することになった。

表1 A社がリスク評価で用いる可用性評価の基準

重要度

可用性評価の基準

該当するサービスの例

2

サービスが利用できなくなると自社だけではなく,顧客にも直ちに影響がある。

顧客に提供しているサービス,顧客にサービスを提供するために利用している外部のサービス

1

サービスが利用できなくなると自社にだけ,直ちに影響がある。

重要度0のサービスを除く,社内で利用しているサービス

0

サービスが利用できなくなっても自社及び顧客に,直ちに影響はない。

社内でデータの長期保存に利用しているサービス

B主任はA社が利用しているクラウドサービスについて可用性評価を実施し,利用方法及び可用性に関する重要度を表2のとおりまとめた。

表2 B主任がまとめた可用性評価の結果(抜粋)

A社が利用しているクラウドサービス

利用方法

可用性に関する重要度

電子メール

ヘルプデスク利用者からの電子メールによる問合せの受付及び回答に利用する。回答は原則として電子メールで行うが,回答に機密性の高い情報が含まれる場合は,あらかじめ登録されているヘルプデスク利用者の電話番号にA社から電話する。

 a1 

人事・労務管理

マイナンバーを含む人事情報の管理及び労務管理に利用する。

 a2 

B主任は,表2の内容をA社の情報セキュリティ委員会に報告し,可用性に関する重要度が適切であることの承認を得た。

設問 表2中の a1 , a2 に入れる数値の適切な組合せを,aに関する解答群の中から選べ。

出典令和7年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目B 問13

選択肢

 a1 

 a2 

ア

0

0

イ

0

1

ウ

0

2

エ

1

0

オ

1

1

カ

1

2

キ

2

0

ク

2

1

ケ

2

2