インシデント管理プロセスの改善

正解は エ( a =(二), b =(四)) です。 1. 空欄  a  (終了時の連絡先):インシデント管理プロセスの目的は迅速なサービス復旧です。表1の手順「終了」において、インシデントが解決したことを連絡し、販売サービスが問題なく利用できることを確認する相手は、サービスの「 利用者 (二)」です。 2. 空欄  b  (改善すべき活動):サービスデスク(解決担当者)が回避策を見つけられず開発課へエスカレーションした30件のうち、半数の15件は開発課が既存の問題管理ファイルを検索して回避策を見つけることができています。開発課が新たな回避策を策定したのではなく既存ファイルの検索で見つかったということは、解決担当者が行った表1の手順「 既知の誤りの調査 (四)」における検索キーワードの選定、分類の確認、調査スキルに課題があることを意味します。

K 社の情報システム部は販売部に販売サービスを提供している。販売サービスの利用者は販売部の部員で,販売サービスは情報システム部が運用する販売システムで実現されている。情報システム部には開発課と運用課がある。開発課は,販売システムの開発と保守を担当している。運用課には,販売システムの運用を担当する運用チームとサービスデスクチーム(以下,SD という)がある。SD の組織は,販売サービスの利用者に対してSPOC(Single Point Of Contact)として機能し,対応窓口の一本化が図られている。利用者が申告したインシデントは,SD で受け付けられる。受け付けたSD の要員は,自らがインシデントの解決担当者となって,インシデントの対応を行う。K 社のインシデント管理プロセスを表1 に示す。

表1 K 社のインシデント管理プロセス

手順

活動の内容

記録・分類

解決担当者は,インシデントを一意に特定するためのインシデント番号を付番し,インシデントの内容,申告者などをインシデント管理ファイルに記録する。

解決担当者は,インシデントの内容に応じて,インシデントをアプリ又はインフラに分類する。

優先度の割当

解決担当者は,インシデントが及ぼす影響度と緊急度に基づいて優先度を割り当てる。

既知の誤りの調査

解決担当者は,過去のインシデントの記録や問題管理ファイルから既知の誤り1)を探し,既知の誤りに記録されている回避策を調査する。

エスカレーション

解決担当者は,既知の誤りから回避策を見つけることができない場合,インシデントをエスカレーションする。エスカレーション先は,アプリに関するインシデントは開発課とし,インフラに関するインシデントは運用チームとする。

インシデントの再調査

エスカレーションを受けた開発課又は運用チームの担当者は,既知の誤りを再調査して回避策を探す。

解決

解決担当者は,既知の誤りに記録されている回避策,又はエスカレーション先から連絡を受けた回避策を適用してインシデントを解決する。

終了

解決担当者は,インシデントが解決したことを a に連絡し,販売サービスが問題なく利用できることを確認する。解決担当者は,インシデント管理ファイルの記録を更新し終了する。

注1) 既知の誤りとは,“サービスへの影響を低減若しくは除去する解決方法がある問題”のことで,問題管理ファイルに記録されている。既知の誤りは,回避策とともに,問題管理プロセスの活動として,開発課又は運用チームによって記録される。

表2 K 社の問題管理プロセス(抜粋)

手順

活動の内容

記録・分類

問題ごとに問題番号を付番し,問題の内容を,エスカレーションされたインシデントとひも付けて問題管理ファイルに記録する。

調査と診断

開発課又は運用チームの担当者は,自ら回避策を策定する。

策定した回避策を,インシデント管理の解決担当者に知らせる。

既知の誤りとして問題管理ファイルに記録する。

解決

(省略)

終了

(省略)

運用課のG 課長は,インシデントの対応の改善に焦点を当てて,インシデント管理プロセス及び問題管理プロセスの活動を月次でレビューしている。前月SD が受け付けたインシデントを対象として,G 課長が,表1 及び表2 の活動を分析したところ,次の事実が分かった。

  • SD が受け付けたインシデントは100 件であった。

  • 表1 の手順“エスカレーション”で,解決担当者が問題管理ファイルから回避策を見つけることができずエスカレーションを行ったものは30 件であった。全てアプリに関する内容で,エスカレーション先は全て開発課であった。

  • 表1 の手順“インシデントの再調査”で,開発課が問題管理ファイルを検索して回避策を見つけたインシデントが15 件あった。

G 課長は,開発課が回避策を見つけたインシデントが15 件であったことに着目し, b の活動について,改善すべき課題があるか否かを調査することにした。

設問 表1 中の a ,本文中の b に入れる字句の適切な組合せはどれか。解答群の中から最も適切なものを選べ。

(一) 開発課又は運用チーム

(二) 利用者

(三) 運用課の課長

(四) 表1 の手順“既知の誤りの調査”

(五) 表1 の手順“エスカレーション”

(六) 表2 の手順“調査と診断”

出典プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)科目B サンプル問題 問2

 a 

 b 

ア

(一)

(四)

イ

(一)

(五)

ウ

(一)

(六)

エ

(二)

(四)

オ

(二)

(五)

カ

(二)

(六)

キ

(三)

(四)

ク

(三)

(五)

ケ

(三)

(六)