ゼロトラストアーキテクチャとCASB・アクセス制御の実装
ゼロトラストの考え方では、ネットワークの場所だけで信頼せず、利用者・端末・資源の条件で許可を判断します。用語を覚えるだけでなく、事例の条件に合う対策を選べるように整理しましょう。
科目Aで基本的な意味を確認し、科目Bでは「守る情報・起きた事象・組織のルール・担当者の権限」を読み取ります。本文の確認問題は、考え方を練習するためのオリジナル問題です。
1. 境界防御モデルとゼロトラストモデルの対比
観点 | 境界防御 | ゼロトラストで重視する点 |
|---|---|---|
アクセスの判断 | ネットワーク境界で通信を制御する | 社内にいるという理由だけで信頼せず、利用者と端末の状態を確認する |
保護する対象 | 区域や通信経路を区切る | 個々の資源へのアクセスを必要な範囲に限定する |
運用 | FW等で不要な通信を防ぐ | ポリシーや状況に応じて認証・認可を判断し、ログを監視する |
2. CASB(Cloud Access Security Broker)の4大機能
CASBは、連携できるクラウドやAPI・プロキシ等で確認できる範囲の利用状況を可視化する。すべての利用を必ず把握できるわけではない。
情報の持ち出し制御、危険な利用の検知、ポリシーの適用を支援する。導入だけで法令順守を保証しない。
IAM、CASB、SWG等は役割の異なる構成要素。すべてがゼロトラストで必須の製品という意味ではない。
既存の境界防御も組み合わせる。検証はポリシーに従って行い、毎回パスワードを入力させること自体が目的ではない。
3. 科目B形式オリジナル実戦シナリオ演習
演習1:ゼロトラストモデルに基づくアクセス制御の判断
〔背景・企業概要〕A社では全社的なクラウド移行に伴い、ゼロトラストモデルの導入を進めている。
〔設問〕ゼロトラストの原則に合致するセキュリティ対策として、最も適切なものはどれか。
ア:社内本社のWi-Fiに接続している社員PCであれば、パスワードや認証なしで全機密ファイルにアクセスできるようにする。
イ:アクセス元の場所(社内/社外)にかかわらず、多要素認証(MFA)を必須とし、さらに端末のOSパッチ適用状況やアンチウイルスの稼働状態を都度検証した上で、必要最小限のリソースへのみアクセスを許可する。
ウ:社内LANのすべての通信速度を10倍にする。
エ:全社員のPCからアンチウイルスソフトをアンインストールする。
【正解】:イ
【正解の理由】:場所を問わず常に検証し(MFA+端末健全性チェック)、最小権限を付与することがゼロトラストの核心です。
【誤答解説】:アは旧来の危険な境界依存モデル。ウ・エは無関係または自滅的です。
4. まとめと重要チェックリスト
ゼロトラスト原則:Never Trust, Always Verify(決して信頼せず、常に検証する)。
CASB:クラウド利用の可視化・データ保護・脅威防御・コンプライアンス。
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