ネットワーク障害対応プロセス
更新日:
用語解説
異常を検知して影響を抑え、事実と証拠を収集し、障害範囲と原因を段階的に切り分け、サービスを復旧した後に根本原因と再発防止策を記録・実施する一連の活動です。思いつきで設定を変更するのではなく、仮説と検証結果を管理します。
■ 試験で押さえるポイント
検知時には発生時刻、利用不能なサービス、影響利用者・拠点、継続状況、重大度及び業務影響を確認し、所定の連絡・エスカレーションを行います。サイバー攻撃の疑いがあれば、通常障害として再起動する前にインシデント対応と証拠保全を優先します。
情報収集では利用者の症状とエラー、監視値、機器ログ、インタフェース状態、経路表、名前解決、パケットキャプチャ、構成差分及び直前の変更を、時刻をそろえて保存します。復旧操作でログや一時状態が失われる前に必要な証拠を確保します。
死活監視はICMP echo、ポート接続、アプリケーション応答、SNMP、テレメトリ等を組み合わせます。ping無応答は、機器停止だけでなくICMP遮断、経路障害又は応答制限でも起きるため、それだけで停止と断定しません。
切分けでは、全利用者か一部か、同一端末の他サービスは使えるか、同一LAN・他拠点・外部網のどこまで到達するかを比較します。OSI層を下位から確認するボトムアップ、アプリケーションから下るトップダウン、経路の中間から二分する方法などを使います。
収集事実から原因仮説を立て、影響の小さい試験で一つずつ反証します。複数設定を同時に変えると因果関係が分からなくなるため、変更内容、実施者、時刻、結果及び切戻し方法を記録し、保守時間と承認手順を守ります。
復旧では冗長系への切替え、経路迂回、予備機交換又は設定の切戻しなどでサービスを先に回復することがあります。ワークアラウンドによる復旧と根本原因の除去は別であり、応急措置を恒久対策として放置しません。
復旧後は利用者視点の通信、監視、冗長性、性能及びログを確認し、一定時間再発を監視します。発生事象、影響、時系列、根本原因、寄与要因、対応、判断根拠及び再発防止策を記録し、構成図、手順、監視しきい値及び訓練へ反映します。
■ 過去問での着眼点
障害時は変更前に事実と証拠を収集し、影響範囲を切り分け、仮説を一つずつ検証して、復旧後に根本原因と再発防止まで確認します。サービスを戻す応急措置と原因を除く恒久対策を区別します。また、pingの無応答だけでは機器停止と断定できません。直前の変更と正常時ベースラインとの差分は、原因候補を絞る重要な手掛かりです。
例: 一部署だけWeb閲覧不能なら、端末、同一VLAN、デフォルトゲートウェイ、DNS、プロキシ、外部宛ての順に比較します。直前のACL変更後からDNSだけ失敗していると分かれば、変更を記録した上で旧ACLへ切り戻し、復旧確認後にレビュー不足の原因と試験手順を改善します。