VoIP(Voice over Internet Protocol)
更新日:
用語解説
音声を標本化・符号化してパケット化し、IPネットワーク上でリアルタイムに送受信する技術の総称です。既存のデータ網を音声にも利用できますが、遅延、ジッタ、損失、帯域、電源及びセキュリティを音声品質の要件に合わせて設計します。
■ 試験で押さえるポイント
送信側はマイクのアナログ音声をA/D変換し、コーデックで圧縮・符号化し、一定時間分をRTP/UDP/IP等へ格納します。受信側は順序と時刻を基に再生し、復号・D/A変換して音声へ戻します。
SIP等は相手の検索と呼の確立・終了、SDPはコーデックやポート等の合意、RTPは音声データ、RTCPは損失・ジッタ等の品質報告を主に担います。VoIPをSIPだけ又はRTPだけの別名と考えません。
遅延が大きいと会話が重なり、到着間隔の揺らぎであるジッタは再生の乱れを起こし、パケット損失は音切れを生じさせます。ジッタバッファは揺らぎを吸収しますが、大きくし過ぎると遅延が増えます。
必要帯域はコーデックの音声ビットレートだけではありません。パケット化間隔ごとにRTP、UDP、IP、データリンク層のヘッダ等が付くため、短い間隔ほど遅延は減る一方、ヘッダオーバーヘッドと毎秒パケット数が増えます。
QoSでは音声パケットを識別し、低遅延キュー、帯域予約、シェーピング等で混雑影響を抑えます。ただしQoSは不足する総容量を増やさず、WAN、無線、VPN及び相互接続先を含む端から端まで一貫して設計する必要があります。
SIP認証、シグナリングのTLS、媒体のSRTP、端末証明書、ネットワーク分離、SBC、更新及び料金詐欺・DoS監視を行います。暗号化は処理とパケットサイズへ影響し得るため、容量設計と鍵管理も必要です。
IP電話はスイッチ、DHCP、DNS、呼制御サーバ及び電源へ依存します。停電時にも使う要件があるならPoEスイッチ、ルータ、回線及びサーバをUPS等で保護し、緊急通報の位置情報と代替手段を用意します。
■ 過去問での着眼点
VoIPではSIP等が呼制御、RTPが音声転送を担い、音声品質は遅延・ジッタ・損失・実効帯域の組合せで決まります。ジッタバッファを大きくすると揺らぎへ強くなる一方で遅延が増えます。コーデック速度だけでなく各層ヘッダを含む回線帯域を計算します。パケット化間隔を短くすると低遅延だがヘッダ比率は増えるというトレードオフを押さえます。
例: 20ms分の音声を1パケットにすれば毎秒パケットです。コーデックが64kbit/sでも、各パケットへRTP/UDP/IP等のヘッダが付くため、実際に必要な回線帯域は64kbit/sより大きくなります。