インターネットサービスプロバイダ(ISP)
更新日:
用語解説
ISP(Internet Service Provider)は、家庭・企業・他の通信事業者などをインターネットへ接続し、IPパケットを自網と外部ネットワークの間で中継する事業者です。アクセス回線、IPアドレス、経路制御を基本とし、契約によりDNS、メール、クラウド接続、セキュリティ対策等も提供します。
■ 試験で押さえるポイント
利用者宅・拠点からISPまでのアクセスには光、ケーブル、DSL、携帯網、無線又は専用線などを使います。利用者側のCE/ルータと事業者側の収容設備との接続点が、故障・性能・設定の責任分界になります。
ISPは自律システムとして、他のISPやコンテンツ事業者とBGP等で経路情報を交換します。上位事業者からインターネット全体への到達性を購入するトランジットと、相互の顧客宛て通信を直接交換するピアリングは、到達範囲と商業関係が異なります。
利用者へ割り当てるIPアドレスは、固定又は動的、IPv4又はIPv6、単一アドレス又はプレフィックスなど契約で異なります。CGNAT配下では複数利用者がグローバルIPv4アドレスを共有し、外部からの着信や送信元特定に追加条件が生じます。
DNSリゾルバ、メールボックス、Web領域、迷惑メール対策等はISPが提供し得る付加サービスであり、全ISPの必須機能ではありません。インターネット接続契約と各付加サービスの責任・可用性を分けて確認します。
個人向け接続は最大速度を示すベストエフォートが多く、利用者全員に公称速度を常時保証するものではありません。法人向けでは帯域保証、可用性、遅延、故障受付、復旧時間等をSLAで定める場合があります。
障害切分けでは、端末、宅内LAN、CPE、アクセス回線、ISP網、DNS、接続先サービスの順に責任分界と到達性を確認します。ISPへ接続済みでも、特定サイト側又は他事業者との経路だけが障害になることがあります。
ISPは送信元アドレス検証、DDoS緩和、迷惑通信対応、ログ管理等を担う場合がありますが、利用者端末やアプリケーションの安全性を自動的に保証しません。利用者側でもファイアウォール、更新、認証及びバックアップが必要です。
■ 過去問での着眼点
ISPの基本的役割は利用者ネットワークをインターネットへ接続し、外部ネットワークとの経路・パケット中継を提供することです。DNS、メール、固定IP及びセキュリティは契約上の付加サービスになり得ます。公称アクセス速度、実効速度、帯域保証及びSLAも区別します。インターネット接続と付加サービスの責任範囲を分けることが障害・契約問題の判断に重要です。
例: 利用者がISPのPPPoE/IPoE接続を確立しIPアドレスを得ても、名前だけ解決できないならアクセス回線よりDNSを疑います。IPアドレス指定でも全宛先へ到達できなければ、CPEのデフォルト経路又はISP側経路を責任分界に沿って確認します。