電力線通信(PLC)

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用語解説

PLC(Power Line Communication:電力線通信)は、電力を供給する既設の配線へ通信用の高周波信号を重畳してデータを伝送する技術です。送受信機は電源の交流成分と通信信号を結合・分離し、家庭内LAN、設備制御、スマートメータ及びアクセス回線などに利用されます。

■ 試験で押さえるポイント

  • 電力線には本来の商用周波数の電力信号が流れ、PLCモデムはそれと異なる周波数帯へ通信信号を重ねます。専用フィルタ、結合回路、変調、誤り訂正等によって電力供給とデータ通信を同じ導体上で共存させます。

  • 既設配線を使えるため、新しいLANケーブルの敷設が困難な場所で工事を減らせます。狭帯域PLCは遠隔検針や機器制御など低速・長距離用途、広帯域PLCは家庭内ネットワーク等の比較的高速な用途で使われます。

  • 電力線は通信専用に設計された平衡伝送路ではありません。配線距離、分岐、相・回路の違い、分電盤、変圧器、接続機器及びインピーダンス変化によって信号が減衰し、同じ建物でも到達性や速度が大きく変わります。

  • モータ、スイッチング電源、調光器、充電器などが発生する雑音は通信品質を低下させます。公称物理速度から誤り訂正、再送及び媒体共有のオーバーヘッドを除いた実効速度は低くなり、コンセントへ挿せば必ず安定するとは限りません。

  • 電力線から高周波信号が放射又は他回路へ結合し、無線通信へ妨害を与える可能性があります。使用周波数、送信電力、不要放射及び電磁両立性に関する法令・規格を守り、必要に応じてフィルタやノッチ制御を用います。

  • 信号が想定外のコンセントや近隣配線へ届く可能性があるため、有線であることだけを機密性の根拠にしません。機器認証、暗号化、鍵変更、ファームウェア更新及びネットワーク分離を行います。

  • PLCはPoEとは異なります。PLCは電力線でデータを運び、PoEはEthernetケーブルでデータとともに機器用電力を供給します。伝送媒体と電力・データの向きを確認して区別します。

■ 過去問での着眼点

PLCは既設の電力線へ通信信号を重畳する方式で、配線・負荷・雑音によって到達性と実効速度が大きく変動します。配線工事を減らせる利点と、減衰、電気機器からの雑音、不要放射及び共有媒体としてのセキュリティを併せて評価します。PLCは電力線でデータ、PoEはEthernetで電力も供給する点が主要な違いです。

例: 同じ分電盤配下の二部屋でPLCが通信できても、別相・別回路やノイズフィルタ付き電源タップを越えると速度低下又は接続不能になる場合があります。設置前に実配線で測定し、アダプタ間の暗号鍵も初期値から変更します。

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