逆行列A−1は、正方行列Aに左右どちらから掛けても単位行列Iになる行列で、AA−1=A−1A=Iを満たします。存在する行列を正則、存在しない行列を特異と呼びます。
■ 試験で押さえるポイント
n次正方行列ではdetA=0、rankA=n、零空間がゼロだけ、逆行列が存在することは互いに同値です。
2×2行列A=[acbd]ではdetA=ad−bc=0なら、A−1=ad−bc1[d−c−ba]です。
AX=BでAが正則ならX=A−1Bと一意に解けます。ただし数値計算では逆行列を作るより、ガウス消去やLU分解で直接解く方が効率・精度面で有利です。
(AB)−1=B−1A−1で積の順序が逆になります。逆行列があっても悪条件行列では小さな入力誤差が大きく増幅されます。
■ 選択肢での判断ポイント
正方行列、detA=0、積の逆行列で順序が逆という条件を押さえます。要素ごとの逆数を並べたものではありません。
例: A=[2111]はdetA=2×1−1×1=1なので、A−1=[1−1−12]です。実際に積を取るとIになります。